地方の商業施設の集客方法、最初に見直すべきは「商圏の設定」です

駐車場を見ても平日はガラガラ。週末もそこそこ入るけれど、県外ナンバーは滅多に見かけない。

施設の運営に関わる人なら、そんな光景に見覚えがあるんじゃないでしょうか。

地方の商業施設は、都市部と同じ集客方法を試してもうまくいかないことが多いです。

理由は単純で、そもそもの商圏が違うから。でも、そこを見直さないまま施策だけ増やしても空振りに終わります。

この記事では、商圏の設定を起点にして、地方の商業施設が本当に押さえるべき集客の考え方をまとめました。


目次

地方の商業施設が「最初に商圏設定を見直すべき」理由

地方の商業施設が「最初に商圏設定を見直すべき」理由
長谷川さん

商圏設定って、正直よく分かんないんですよね。
「この地域の人が来てくれればいい」くらいの感覚でやってました。

高野さん

それだと、施策が全部ブレるんだよね。
誰に届けるか決まってないのに広告打っても、効かないから。

地方の商業施設で集客施策がうまくいかないとき、多くの場合は「何をするか」より「誰に届けるか」の設定が曖昧です。

商圏を正しく設定しておかないと、広告も、イベントも、全部が中途半端になる。

商圏の広さで顧客の絶対数が変わる

地方の商業施設が最初に見直すべきなのは、商圏をどこまで広げるかの線引きです。

半径何キロ圏内を狙うのか。

車で何分圏内まで届けるのか。この線引きが曖昧だと、顧客の絶対数が足りないまま施策を打つことになります。

商圏を狭く設定しすぎると、どんなに気になる施設でも来てくれる人の母数が足りない。

逆に広げすぎると、届けるべき情報が薄まって誰にも響かなくなる。

地方は人口密度が低いため、都市部と同じ商圏設定では成立しません。

車移動を前提にした範囲設定が現実的で、片道の移動時間が目安になることが多いです。

リピート施策の効果も商圏次第で決まる

商圏が狭すぎると、リピーターを増やす施策も限界が来ます。

常連客ばかりに固定化されていて、新規が増えない状態は、商圏内の人口がそもそも少ないことが原因です。

会員制やポイントカードを導入しても、対象となる顧客が増えなければ効果は頭打ちになる。

リピート施策を機能させるには、最初に「誰がリピートする可能性があるのか」を商圏の範囲で見極めておく必要があります。

商圏を見誤ると施策が全て空振りになる

商圏設定がズレていると、施策の中身がどれだけ良くても届きません。

例えば、車で来られる距離の人をターゲットにしているのに、徒歩圏の人向けの広告を出していたら意味がない。

逆に、地元密着を謳いながら広域に広告を打っても、反応する人は少ないです。施策と商圏がずれると、打ち手が全部空回りします。

集客がうまくいかないとき、多くの場合は「どうやって集めるか」より「どこから集めるか」の設定が間違っています。

地方商業施設の集客で起きている3つの問題

地方商業施設の集客で起きている3つの問題
長谷川さん

うちの施設、来てくれる人はいつも同じ顔ぶれなんですよね。
新しい人、全然増えないです。

高野さん

それ、地方の施設あるあるだよね。
でも原因は意外とシンプルだったりするから。

地方の商業施設が抱える集客の問題は、大きく分けて3つのパターンに集約されます。どれも「場所が悪い」「人口が少ない」で片付けがちですが、実際には集客の設計に問題があることが多いです。

新規顧客が常連客だけに固定化されている

常連だけで回っている状態は、一見安定しているように見えて危険です。

新規のお客さんが入ってこないと、常連客が離れたときに一気に売上が落ちる。

でも新規を呼ぶ施策を打とうにも、そもそも施設の存在が知られていないケースが多いです。

地方では口コミが広がりやすいと言われますが、逆に言えば口コミの範囲内でしか広がらない。

常連客が固定化している理由は、新規向けの情報発信がほぼゼロに近い状態になっているからです。

施設の存在が認知されないまま終わる

「うちの施設、知ってる人は知ってるんだけど…」という状態、ありますよね。

地方では、施設があること自体が地域の一部の人にしか認知されていないことが珍しくありません。特に車移動が前提の地域では、通りかかる人が限られるため、看板だけでは集客につながらない。

ネット検索でも、施設名で検索されることはあっても、何を探している人にヒットするかが曖昧だと見つけてもらえません。

認知の問題は、単に広告を出せば解決するわけではなく、誰に何を伝えるかの設計が必要です。

他店にはない特徴を言語化できていない

「うちならではの強み」が言葉にできていない施設は、集客で苦戦します。

地方の商業施設は、規模や立地で都市部に勝てないことが多い。

だからこそ、他にはない特徴を明確にして伝える必要があるんですが、それを言語化できていないケースが目立ちます。

「地域密着」「アットホーム」といった抽象的な言葉では、他の施設との違いが伝わらない。

特徴を言語化できていないと、広告を出しても、イベントを開いても、何が魅力なのかが届かないまま終わります。

商圏を正しく設定するために押さえておくべき前提

商圏を正しく設定するために押さえておくべき前提
長谷川さん

商圏設定って、結局どこまで広げればいいんですか?
広い方がいいんですかね。

高野さん

広ければいいってもんじゃないんだよね。
ここ、けっこう見落としがちだから。

商圏設定は、広ければ広いほど良いわけではありません。地方の商業施設の場合、現実的に来てくれる範囲を見極めて、その中で確実に届ける設計が必要です。

車移動を前提にした商圏範囲を設定する

地方の商業施設は、徒歩圏ではなく車移動を前提に商圏を考えるのが基本です。

片道の移動時間で範囲を区切ることが多く、日常的に来てもらうなら車で片道圏内、イベントなど特別な理由があるなら片道圏内まで広げることが現実的です。

ただし、移動時間が長くなるほど、来店動機が弱いと足を運んでもらえません。

商圏を広げたいなら、移動時間に見合う価値を提供できるかが問われます。車で来られる距離であっても、駐車場の台数や出入りのしやすさが障壁になることもあるため、アクセス情報の発信とセットで設計しなきゃいけません。

ターゲットを絞りすぎると母数が足りなくなる

ターゲットを明確にすることは大事ですが、絞りすぎると顧客の絶対数が足りなくなります。

都市部なら「30代女性」「子育て世代」といった絞り込みでも成立しますが、地方では商圏内の人口が少ないため、同じように絞ると対象者が数十人レベルになることもある。

ターゲットを絞りすぎず、幅を持たせた設定が現実的です。

例えば「子育て世代」と絞るより、「家族連れ」くらいの幅を持たせて、祖父母世代も含めた層を狙う方がうまくいくケースが多いです。

観光客も商圏に含めて考える

地方の商業施設は、地元客だけでなく観光客を商圏に含める視点が必要です。

観光地が近くにあるなら、観光客が立ち寄る導線を意識した情報発信が効きます。

観光客は移動距離が長くても、目的があれば足を運びます。

ただし、観光客向けの施策は地元客向けとは別に設計する必要があり、情報発信の媒体や伝え方を分けることが大事です。

観光客を狙う場合、地元の特色を活かした体験や商品を前面に出すと、他にはない価値として響きやすくなります。

地方商業施設が実践すべき集客方法を段階別に整理する

地方商業施設が実践すべき集客方法を段階別に整理する
長谷川さん

集客方法って、何から手をつければいいんですかね。
とりあえず広告ですか?

高野さん

いきなり広告はもったいないよ。
順番があるから、まずそこから整理しよう。

集客施策は、段階を踏んで実施しないと効果が出にくいです。認知がない状態で来店施策を打っても、そもそも施設の存在が知られていなければ意味がない。

ここでは、認知→来店動機→リピートの3段階に分けて、地方の商業施設が実践すべき集客方法を整理します。

認知を広げる施策:MEO対策とWeb広告

最初にやるべきなのは、施設の存在を知ってもらうことです。

地方では、Googleマップ上での表示が認知の入り口になることが多い。MEO対策として、Googleビジネスプロフィールに施設情報・営業時間・写真を充実させておくと、近隣で検索した人に見つけてもらいやすくなります。

口コミの返信もこまめにすることで、検索順位が上がりやすくなる傾向があります。

Web広告は、商圏を絞った地域配信が有効です。FacebookやInstagram広告なら、地域・年齢・興味関心で配信先を細かく設定できるため、無駄なく届けられます。

ただし、広告の内容が「施設名だけ」では反応が薄いので、具体的な来店理由を見出しに入れることが大事です。

来店動機を作る施策:体験型イベントと地域連携

認知されても、来る理由がなければ足を運んでもらえません。

来店動機を作るには、施設に来ることで得られる体験を明確にすることが必要です。体験型イベント、例えばワークショップや季節の企画展などは、「行く理由」を作りやすい施策です。

地方の場合、地元の生産者や作家と連携したイベントを開くと、地域外の人にも響きやすくなります。

地域連携も有効です。

近隣の観光施設や飲食店と協力して、スタンプラリーや共通クーポンを発行すれば、相互送客ができます。単独では商圏が狭い施設でも、連携することで広域からの集客が可能になることがあります。

リピートを増やす施策:LINE公式アカウントと回遊設計

一度来てくれた人に、もう一度来てもらうための施策がリピート対策です。

LINE公式アカウントは、地方の商業施設と相性が良い。

メールマガジンより開封率が高く、クーポン配信やイベント告知がリアルタイムで届けられます。

登録してもらうには、初回来店時に特典を用意しておくとうまくいきます。

施設内の回遊設計も大事です。

一度来た人が、施設全体を見て回りたくなる動線を作ると、滞在時間が伸びてリピート率も上がります。

テナントごとのスタンプラリーや、エリアごとのテーマ分けなど、歩いて楽しめる仕掛けがあると次回の来店につながりやすいです。

集客施策を失敗させないために確認しておくこと

集客施策を失敗させないために確認しておくこと

施策を打つ前に、前提条件を確認しておかないと、どんなに良い施策でも効果が出ません。地方の商業施設でよくある失敗は、施策そのものより「準備不足」が原因になっているケースです。

人流データで施設内の動線を把握しておく

施設内のどこに人が集まっているか、どの時間帯に混雑するかを把握しておくことは、施策の精度を上げるために必要です。

人流データは、カメラやセンサーで取得できるものもあれば、レジのデータや駐車場の稼働状況から推測できるものもあります。

データがあれば、イベントをどこで開くか、どのテナントに誘導するかの判断がしやすくなる。感覚だけで決めると、混雑している場所に人を集めてしまい、逆効果になることもあります。

人流を把握しておけば、施設全体の回遊率を上げる設計にもつながります。

駐車場の確保とアクセス情報の発信を怠らない

車移動が前提の地方では、駐車場の確保が集客の成否を左右します。

駐車場が満車だと、それだけで帰ってしまう人が出る。

駐車可能台数、混雑時の待ち時間、入り口の分かりやすさなど、アクセス面の情報は事前に発信しておく必要があります。

特にイベント時は、臨時駐車場の案内やシャトルバスの運行など、混雑対策を明示しておくと安心感につながります。

アクセス情報は、WebサイトやSNSで繰り返し発信することが大事です。

初めて来る人にとって、駐車場の場所や出入り口が分からないと、それだけで足が遠のきます。

宣伝媒体は複数組み合わせて効果を測定する

一つの媒体だけに頼ると、効果が出なかったときに打ち手がなくなります。

Web広告、SNS、チラシ、ポスティングなど、複数の媒体を組み合わせて発信し、どの媒体から反応があったかを測定することが欠かせません。

媒体ごとにクーポンコードや問い合わせ先を変えておくと、どこから来た人が多いかが分かります。

効果測定ができていないと、施策を打ちっぱなしになり、何が効いて何が効いていないのかが見えません。

数字で判断する仕組みを作っておくことが、次の施策の精度を上げるために欠かせません。

よくある質問

地方の商業施設で集客を増やすには、まず何から始めればいいですか?

最初に商圏を見直すことが大事です。誰に届けるかが曖昧だと、どんな施策も効果が薄くなります。車移動を前提にした範囲設定と、ターゲットの幅を確認してください。

商圏を広げるべきか、狭く絞るべきか迷っています。

地方では絞りすぎると母数が足りなくなるため、幅を持たせた設定が現実的です。ただし移動時間が長くなるほど、来店動機が弱いと足を運んでもらえません。

常連客ばかりで新規が増えません。どうすればいいですか?

新規向けの情報発信が不足している可能性があります。MEO対策やWeb広告で、施設の存在を知らない人に届ける施策から始めてください。

観光客を集客に含めるべきですか?

観光地が近いなら、観光客も商圏に含める視点が有効です。地元の特色を活かした体験や商品を前面に出すと、他にはない価値として響きやすくなります。

まとめ:商圏を見直すことが、地方施設の集客の起点になる

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地方の商業施設で集客がうまくいかないとき、多くの場合は「どこから集めるか」の設定が曖昧なまま施策を打っています。

商圏を正しく設定しておけば、認知施策も来店動機も、リピート対策も、全部が一本の線でつながります。

逆に商圏がずれていると、どれだけ施策を増やしても空振りに終わる。

地方だから難しいのではなく、地方だからこそ、誰に届けるかを明確にすることが大事なんです。

まずは商圏の見直しから始めてみてください。

そこがブレていなければ、施策の効果は後からついてきます。

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