グループホームの集客方法で空室が埋まらない。
チラシを配っても、ホームページを作っても、思うように入居希望者からの連絡が来ない。
そんな状況が続いているなら、原因は集客の「やり方」ではなく、その手前にあるかもしれません。
問い合わせが来ても見学に繋がらない、見学に来ても契約まで進まない。
この流れが続いている施設には、共通する受け皿の不備があります。
集客方法を増やす前に、まずは問い合わせを確実に入居につなげる土台を整えることが先決です。
この記事では、グループホームの集客で本当に効果を出すために、最初に整えるべき「受け皿」の考え方と、その上で活用すべき集客方法を具体的にまとめました。
入居率が上がらない本当の理由は「受け皿」にある

長谷川さんうちのホーム、ホームページも作ったし、ポータルサイトにも登録してるんですけど全然問い合わせが来なくて…



問い合わせが来ても、そこから先に進まないパターンもあるよね。
まず確認したいのは、問い合わせを受けた後の流れがちゃんと整ってるかどうか
集客施策を次々と試しているのに入居率が上がらない施設に共通するのは、「受け皿」が整っていない状態で情報発信だけを増やしている点です。受け皿とは、問い合わせを受けてから入居契約に至るまでの一連のプロセス全体を指します。
どれだけ集客に力を入れても、受け皿が弱ければ問い合わせは「流れていく水」のようにこぼれ落ちてしまいます。
集客の本質は、人を集めることではなく、集めた人を確実に入居につなげることにあります。その視点が抜けている施設は、いつまでも「やっているのに結果が出ない」状態から抜け出せません。
集客する前に整えるべき3つの受け皿
集客施策を打つ前に、以下の3つの受け皿が整っているか確認してください。この土台がないまま集客を始めても、効果は半減します。
1つ目の受け皿は「問い合わせ対応の仕組み」です。
電話がかかってきたとき、誰が対応するのか。担当者が不在の場合はどうするのか。
折り返しのルールは明確か。ここが曖昧だと、問い合わせをした相談支援専門員や家族は「対応が遅い施設」と判断し、別の施設に流れます。
問い合わせ対応は、最初の接点です。ここでの印象が入居の可否を左右することを忘れてはいけません。
2つ目の受け皿は「見学時の説明内容の標準化」です。
見学に来た家族や相談支援専門員に対して、毎回同じ質の説明ができる仕組みがあるか。
担当者によって説明内容がバラバラだと、施設への信頼感が生まれません。誰が対応しても一定水準の説明ができる「見学対応マニュアル」を用意しておくことが大事なんです。
また、見学後に家族が検討しやすいよう、料金表や支援内容を記載した資料を必ず渡すこと。
口頭だけの説明では、後から思い出せません。
3つ目の受け皿は「断り方も含めた判断基準」です。
すべての問い合わせを受け入れることが正解ではありません。
施設の支援体制で対応できない利用者を無理に受け入れると、入居後にトラブルが起き、結果的に退去につながります。
受け入れる条件・受け入れられない条件を明確にし、問い合わせの段階で見極める判断基準を持つことが必要です。
受け入れを断る場合も、「対応できません」で終わらせず、他のちょうどいい施設を紹介するなど、相談支援専門員との信頼関係を損なわない対応を心がけることは外せません。
満床施設と空室施設の決定的な違い
満床を維持している施設と空室が続く施設の違いは、施設の設備や立地ではなく、「問い合わせから入居までの流れの精度」にあります。
満床施設は、問い合わせがあった時点で見学の日程調整をスムーズに行い、見学当日は利用者の状態に合わせた具体的な支援内容を説明し、見学後も必ずフォローの連絡を入れています。この一連の流れが標準化されており、誰が対応しても同じ質を保てる仕組みがあります。
一方、空室が続く施設は、問い合わせがあっても見学日程の調整に時間がかかり、見学当日の説明も担当者任せで内容がバラバラ。
見学後のフォローもないため、家族や相談支援専門員は「熱意がない施設」と感じてしまいます。
この差は、集客施策の量ではなく、受け皿の質の差です。受け皿が整っている施設は、少ない問い合わせでも高い確率で入居につなげられます。
逆に、受け皿が整っていない施設は、どれだけ問い合わせを増やしても入居には結びつきません。
満床施設が行っている「当たり前の対応」を標準化することが、入居率を上げる最も確実な方法です。
グループホームの集客で必ず押さえる7つの方法





受け皿を整えたら、次はどうやって問い合わせを増やせばいいんですか?



集客方法は大きく分けて3つ。Web・地域連携・オフラインの3軸で考えるといいよ。
どれか1つじゃなくて、組み合わせることが大事
グループホームの集客方法はいろいろありますが、効果が出やすい方法は限られています。
ここでは、実際に満床施設が実践している7つの集客方法を、Web・地域連携・オフラインの3つのカテゴリに分けて紹介します。
重要なのは、どれか1つに偏るのではなく、複数の方法を組み合わせることです。
Web集客だけに頼っても地域からの紹介が得られず、地域連携だけでは認知度が上がりません。
バランスよく取り組むことで、安定した入居率を維持できます。
Web集客の基本(ホームページ・SNS・ポータルサイト)
Web集客の基本は、ホームページ・SNS・ポータルサイトの3つです。それぞれ役割が異なるため、目的に応じて使い分けることが必要です。
ホームページは施設の「顔」です。
相談支援専門員や家族が施設を検索したとき、最初に見るのがホームページです。
施設の場所・支援内容・料金・空室状況が一目でわかる構成になっているか。
写真は実際のホーム内の様子が伝わるものになっているか。
この2点が満たされていないホームページは、見た人に「情報が足りない」と感じさせ、問い合わせにつながりません。
特に重要なのは、スマートフォンでの見やすさです。
相談支援専門員の多くは移動中にスマホで施設を検索するため、スマホ表示が見づらいホームページは問い合わせ対象から外れます。
SNSは「日常の発信」に使います。
InstagramやX(旧Twitter)は、施設の雰囲気を伝えるツールとして有効です。利用者の日常の様子や、職員の支援風景を写真付きで発信することで、施設の温度感が伝わります。
ただし、利用者の顔が写る場合は必ず本人・家族の同意を得ることが前提です。
SNSの投稿頻度は、週に2〜3回程度が目安です。毎日投稿する必要はありませんが、更新が止まっていると「運営が不安定な施設」と思われるため、継続的な発信は外せません。
ポータルサイトは「検索される場所」に登録することが目的です。
相談支援専門員や家族が施設を探すとき、地域名と「グループホーム」で検索します。
その検索結果に自施設が表示されるよう、障害福祉サービスのポータルサイトに登録しておくことは外せません。
登録だけで問い合わせが増えるわけではありませんが、「存在を知られる」ための必須の手段です。
Web集客は即効性がある反面、情報の更新が止まると効果も止まります。定期的に内容を見直し、最新情報を保つことが必要です。
地域連携による紹介獲得(相談支援専門員・行政・病院)
グループホームの入居経路で最も多いのは、相談支援専門員からの紹介です。
相談支援専門員との信頼関係を築くことが、安定した入居につながります。
相談支援専門員との関係構築は「顔を覚えてもらう」ことから始まります。
地域の相談支援事業所を訪問し、施設のパンフレットを渡すだけでも効果があります。訪問時は、施設の特徴や受け入れ可能な利用者の条件を簡潔に説明し、空室状況を伝えます。
相談支援専門員は複数の施設情報を把握しているため、「この条件ならあの施設」とすぐに思い浮かべてもらえる関係を作ることは外せません。
また、紹介を受けた後のフォローも大切です。
見学後の結果や入居後の様子を報告することで、「この施設は信頼できる」という評価が積み重なり、次の紹介につながります。
行政との連携は「地域の福祉窓口」に施設情報を届けることです。
市区町村の障害福祉課や地域包括支援センターには、グループホームを探している家族から相談が寄せられます。窓口職員が施設を紹介する際、情報が古いと候補に入りません。
定期的に空室状況や支援内容を報告し、「現在の状況」を把握してもらうことが必要です。
病院との連携は「退院後の受け入れ先」として認識してもらうことが目的です。
精神科病院や障害者支援に関わる医療機関には、退院後の生活の場を探している患者がいます。医療ソーシャルワーカーに施設情報を伝え、退院後の選択肢として紹介してもらえる関係を作ることが有効です。
ただし、医療的ケアが必要な利用者を受け入れる場合は、施設の支援体制が対応可能かを事前に確認しておくことが前提です。
地域連携は即効性はありませんが、一度信頼関係ができれば継続的な紹介が期待できます。長期的な視点で取り組むことが大事です。
オフライン集客(チラシ・見学会・地域イベント)
オフライン集客は、地域の認知度を上げるための手段です。Web集客や地域連携とは異なり、「施設の存在を知らない人」にアプローチできる点が特徴です。
チラシは「地域の掲示板」に貼ることが基本です。
地域のスーパー・公民館・図書館などの掲示板に施設案内のチラシを貼ることで、家族や支援者の目に留まる機会が増えます。
チラシには、施設名・場所・連絡先・支援内容を簡潔に記載し、見た人がすぐに問い合わせできるようにします。
ポスティングも有効ですが、地域の福祉施設や相談支援事業所に直接届ける方が効果が高い傾向があります。不特定多数に配るより、施設情報を必要としている人に届けることを優先してください。
見学会は「施設の雰囲気を体感してもらう」ための場です。
定期的に見学会を開催し、相談支援専門員や家族に実際のホーム内を見てもらうことで、施設への理解が深まります。
見学会では、利用者の様子や職員の対応を直接見せることが大事なんです。説明だけでなく、「この施設なら安心」と感じてもらえる空気感を伝えることが目的です。
見学会の告知は、相談支援事業所や行政窓口にチラシを配布し、参加を呼びかけます。1回の見学会で大人数を集める必要はありません。
少人数でも、確実に施設の良さを伝えられる場にすることが大事です。
地域イベントへの参加は「施設の存在を知ってもらう」きっかけ作りです。
地域の福祉イベントやバザーに参加し、施設のパンフレットを配布することで、地域住民や福祉関係者とのつながりが生まれます。
イベント参加は集客に直結するわけではありませんが、「この地域にこんな施設がある」と認識してもらうことが長期的な集客につながります。
オフライン集客は手間がかかりますが、地域に根ざした施設としての認知を広げるには欠かせない手段です。
集客を始める前に明確にしておく判断軸





集客方法はわかったんですけど、どれから手をつければいいんですかね…



それ、判断軸が曖昧だから迷うんだよ。
先に「誰に」「何を」伝えるかを決めておかないと、全部中途半端になるから
集客方法を実行する前に、施設としての判断軸を明確にしておく必要があります。
判断軸がないまま集客を始めると、「とりあえず全部やってみる」状態になり、どれも効果が出ないまま時間だけが過ぎていきます。
判断軸とは、「誰をターゲットにするか」「自施設の強みは何か」「競合と何が違うか」の3つです。
この3点が明確になっていれば、どの集客方法を優先すべきかが自然と見えてきます。
ターゲット利用者を絞り込む理由
すべての利用者を受け入れようとする施設は、結果的にどの層からも選ばれにくくなります。
ターゲットを絞ることで、施設の特徴が明確になり、相談支援専門員や家族に「この施設はこういう人に向いている」と伝わりやすくなります。
ターゲットを絞る基準は、施設の支援体制と職員のスキルをもとに決めます。例えば、精神障害の方への支援実績が多い施設であれば、「精神障害のある方が安心して暮らせるホーム」として打ち出すことで、相談支援専門員が紹介しやすくなります。
逆に、ターゲットが曖昧なまま「障害のある方なら誰でも」という姿勢だと、相談支援専門員は「この施設はどういう人に合うのか」が判断できず、紹介対象から外れます。
ターゲットを絞ることは、選択肢を減らすことではなく、施設の強みを明確にすることです。
その結果、紹介されやすくなり、入居率も安定します。
自施設の強みを3つに言語化しておく
施設の強みを言葉にできていない施設は、相談支援専門員や家族に「何がいい施設なのか」が伝わりません。強みは、数ではなく具体性が欠かせません。
強みを見つける方法は、「他の施設と比べて、うちは何ができるか」を考えることです。例えば、「駅から近い」「職員の定着率が高い」「医療機関との連携が密」など、他の施設にはない要素を3つ挙げてみてください。
強みを言語化する際は、抽象的な表現を避けることは外せません。
「アットホームな雰囲気」「丁寧な支援」といった言葉は、どの施設も使っているため差別化になりません。
「職員全員が精神保健福祉士の資格を持っている」「毎月外出支援を実施している」など、具体的な事実を伝える方が説得力があります。
強みは、ホームページやパンフレット、見学時の説明で繰り返し伝えることで、施設のイメージとして定着します。何度も言い続けることが、認知を広げる第一歩です。
競合調査で確認すべきポイント


同じ地域にある他のグループホームを調査することで、自施設がどう見られているかが見えてきます。競合調査の目的は、他施設を批判することではなく、自施設の立ち位置を確認することです。
- 他施設の料金設定と支援内容
- ホームページやSNSの情報発信頻度
- 見学対応や問い合わせ対応の質
料金設定を確認することで、自施設が相場より高いのか安いのかが分かります。高い場合は、その理由を説明できるようにしておく必要があります。
安い場合は、価格が理由で選ばれている可能性があるため、他の強みを明確にが必要です。
情報発信頻度を確認することで、他施設がどれだけWebやSNSに力を入れているかが分かります。
競合が積極的に発信している場合、自施設も同様に取り組まないと認知度で劣ります。
見学対応の質は、実際に他施設を見学してみることで分かります。
相談支援専門員の立場で見学を申し込み、どういう対応をされるかを確認すると、自施設との差が明確になります。
競合調査で得た情報は、自施設の改善点を見つけるための材料です。他施設より優れている点は強化し、劣っている点は改善することで、選ばれる施設に近づきます。
問い合わせが入居につながらない施設の共通点


問い合わせがあっても入居に至らない施設には、対応のどこかに穴があります。集客方法を増やす前に、問い合わせ対応と見学対応の精度を上げることが先決です。
問い合わせから入居までの流れで最も重要なのは、「最初の印象」と「見学時の説明」です。この2つが弱いと、どれだけ集客に力を入れても成果には結びつきません。
見学対応で失敗しやすい3つのパターン
見学対応で失敗する施設には、共通するパターンがあります。この3つを避けるだけで、見学後の契約率は大きく変わります。
1つ目は、担当者によって説明内容が変わることです。
見学対応を特定の職員だけに任せている施設は、その職員が不在のときに対応が乱れます。誰が対応しても同じ内容を説明できるよう、見学対応マニュアルを作成し、全職員が把握しておく必要があります。
マニュアルには、施設の概要・料金・支援内容・見学時の流れを記載し、説明すべき項目を漏れなく網羅します。口頭だけで説明すると、担当者によって伝える内容が変わるため、必ず資料を用意して渡すことが欠かせません。
2つ目は、見学後のフォローがないことです。
見学が終わった後、「検討してください」と言って終わる施設は、契約につながりにくいです。
見学後は、必ず1週間以内にフォローの連絡を入れることが基本です。
電話やメールで「見学後に何か疑問点はありませんでしたか」と一言添えるだけで、相手に「丁寧な施設」という印象を与えられます。
フォローの連絡は、契約を迫るものではありません。相手が検討しやすいように情報を補足することが目的です。
この一手間があるかどうかで、契約率は変わります。
3つ目は、見学時に利用者の様子を見せないことです。
見学に来た家族や相談支援専門員が最も知りたいのは、「実際の生活の様子」です。
空室だけを見せても、施設の雰囲気は伝わりません。利用者が日常を過ごしている様子を見せることで、「ここなら安心」と感じてもらえます。
もちろん、利用者のプライバシーには配慮が必要です。見学前に利用者本人に了解を取り、無理のない範囲で日常を見せる工夫をしてください。
情報発信で「安心感」が伝わらない理由
ホームページやSNSで情報発信をしているのに問い合わせが増えない施設は、「安心感」が伝わっていない可能性があります。
安心感とは、「この施設に任せて大丈夫」と感じてもらえる要素のことです。
安心感が伝わらない理由の1つは、写真の質です。施設の外観だけを載せたホームページでは、中の様子が分かりません。
居室・リビング・職員の写真を掲載し、「どんな場所で、どんな人が支援しているか」が見えるようにすることは外せません。
もう1つの理由は、情報の更新頻度です。
ホームページやSNSの更新が止まっていると、「運営が不安定な施設」と思われます。
週に1回程度でよいので、定期的に情報を発信し、施設が継続的に活動していることを伝えてください。
安心感は、情報の量ではなく、情報の具体性と継続性で生まれます。抽象的な説明を減らし、具体的な事実を伝えることが、信頼につながります。
よくある質問


- グループホームの集客で最も良い方法は何ですか?
相談支援専門員との関係構築が最もうまくいきます。入居経路の多くは相談支援専門員からの紹介であり、信頼関係を築くことが安定した入居につながります。
- ホームページは必ず必要ですか?
必須です。相談支援専門員や家族が施設を検索したとき、ホームページがないと情報が得られず、問い合わせ対象から外れます。最低限、施設の場所・支援内容・料金・連絡先が掲載されていることが大事なんです。
- 見学対応で最も気をつけるべきポイントは何ですか?
誰が対応しても同じ説明ができる仕組みを作ることです。担当者によって説明内容が変わると、施設への信頼感が損なわれます。見学対応マニュアルを用意し、全職員が把握しておくことが基本です。
- SNSはどのくらいの頻度で更新すればいいですか?
週に2〜3回程度が目安です。毎日更新する必要はありませんが、更新が止まると「運営が不安定な施設」と思われるため、継続的な発信は外せません。
まとめ:集客方法より先に整えるべきこと


グループホームの集客で成果を出すには、集客方法を増やす前に「受け皿」を整えることが先決です。
問い合わせ対応・見学対応・入居後のフォローという一連の流れが標準化されていない状態で集客を始めても、問い合わせは入居に結びつきません。
受け皿が整ったら、Web集客・地域連携・オフライン集客の3つを組み合わせて取り組みます。どれか1つに偏るのではなく、バランスよく実行することで、安定した入居率を維持できます。
集客の本質は、問い合わせを増やすことではなく、問い合わせを確実に入居につなげることにあります。施設の強みを明確にし、ターゲットを絞り、受け皿を整える。
この土台があれば、集客方法は自然と効果を発揮します。
まずは、問い合わせが来たときの対応を見直すことから始めてみてください。



コメント